9月に読んだ本2006年09月28日

------ 村上 春樹 ------
・ノルウェイの森 ★★★★☆
 約20年前に流行った小説、当時は読みたいと思わなかったが、最近、
 村上春樹の小説が海外で広く読まれているという話を聞き、読んでみ
 ようと思った。

 精神病を患った女性と大学生の主人公の恋愛を中心とした話。
 その女性は主人公の高校時代の自殺した親友の彼女だった。
 登場人物の心の中の情景が、まるで目の前の風景のように、浮かび
 上がってくる。その情景は、過去、つい最近の過去、当時、現在と、時
 間の流れと共に情景も流れている。表現も美しい。読み応えがある本
 だった。

------ Spencer Johnson  ------
・チーズはどこへ消えた? (Who Moved My Cheese? ) ★★★☆☆
 数年前に流行したビジネス書、迷路の中に住んでいるネズミ2匹と
 小人2人がなくなったチーズを追い求める。
 匂いに敏感で行動力があるネズミと、何のあてもなくただひたすら駆け
 るネズミは、なくなったチーズを求めて迷路をさまようも、新たなチーズを
 見つける。
 チーズを探して迷路の中に飛び出すこと(=変化)を恐れる小人達は、
 なくなったチーズがあった場所から離れられないまま、悶々とする。
 1人の小人は意を決して、迷路の中に飛び出す。そして、ネズミ達と
 チーズを見つける。
 変化を恐れてはいけない、変化に立ち向かっていかなければならな
 いということ。 

------ 山田 真哉 ------
・『さおだけ屋はなぜ潰れないのか』 ★★☆☆☆
 息子の国語の教材として、高校で購入した本。
 タイトルのおもしろさに惹かれて読んでみたものの、会計の話だった。
 作者が、色々な観点から工夫してまとめているのが読み取れるが、
 会計の話を期待して読み始めた本ではなかったので、消化不良の
 ような気持ちになった。会計の知識がない人が、会計の言葉や考え方
 になじんでいくためには良い本だと思う。

------ 山崎 章郎  ------
・病院で死ぬということ ★★★☆☆
 息子の国語の教材として、高校で購入した本。
 末期ガン患者の最期について、患者と家族、医師との関わりを10編の
 短編にまとめられている。話の内容は前半と後半で大きく異なる。

 前半:忙しい医師や看護師によって、延命を目的として治療を行わ
     れている不幸な患者の話
 後半:患者自身が患者の人生を最期まで生き抜くという観点から、
     家族や医師、看護師が、ガンの告知、治療を進めた話

 最後に著者のホスピスの考えの説明、その方向に進んでいくという
 決意表明で締めくくられる。

 非日常な人の死が、末期ガン患者の病棟では日常的であること、
 日々、それらに直面している医師や看護師がいることを、改めて
 思い知らされた。今は、健在な私の両親、家内の両親も、いずれ、
 見送らねばならないときがやってくる。そのときに、著者と同じように
 患者の人生という視点から看護ができるだろうか。